福岡県下令和8年地価公示
全用途12年連続上昇も上昇率は縮小傾向
国土交通省は令和8年3月17日、同年1月1日時点における公示地価を発表しました。全用途の全国平均は前年より2.8%上がり、5年連続の上昇。上昇率もバブル経済崩壊以降で最大となりました。
福岡県においては、住宅地、商業地、工業地ともに全用途で前年を上回り、12年連続の上昇となりました。一方で、金利上昇や建築費・用地取得費の高騰、マンション価格の上昇による需要調整といった要因から、上昇率は縮小傾向にあり、住宅地は全国で4位、商業地は7位、工業地は9位でした。
福岡市中心部は富裕層向け需要が好調
福岡市は現在も人口が増加し、中心部は天神ビッグバン・博多コネクティッドなどの再開発や投資マネーの流入により、依然として高い需要が続いています。10億円規模の新築分譲マンションが成約するなど、富裕層向けの需要も好調に推移しています。特に住宅地は14年連続で上昇。利便性やブランド性の高い地域においてマンション需要が強く、価格上昇が継続しています。住宅地の最高価格は、44年連続「中央区大濠1−13−26」で1㎡あたり149万円となっています。
商業地も14年連続で上昇し、最高価格は昨年4月開業のワン・フクオカ・ビルディングが位置する「中央区天神1−1−1」で1240万円。中でも九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発による期待感を受けて、「箱崎3−13−15」が55.5万円で上昇率が18.1%と最も高く、開発期待が地価を押し上げる典型例となっています。
北九州市住宅地・商業地ともに上昇 傾斜地多い門司区は下落傾向続く
北九州市では、住宅地が5年、商業地は10年、工業地は8年連続で上昇し、全体の平均変動率はプラス2.1%となりました。ただ、上昇幅は前年より0.5ポイント縮小しています。
住宅地はプラス1.2%で、やはり上昇幅は対前年比で見ると0.4ポイント縮小しています。住宅地上昇率のトップはJR黒崎駅徒歩圏内の「八幡西区西神原町5−5」の7.7%。住宅地価格のトップは小倉都心部へのアクセスに優れ、一帯に大学や有名私立高がある「戸畑区天籟寺1−5−27」。1㎡あたりの地価は13万円で前年比プラス6.6%でした。一方で、傾斜地の多い門司区はマイナス0.2%と下落傾向が続いています。
商業地の変動率はプラス3.1%でしたが、上昇幅は前年比で見ると0.8ポイント縮小しています。商業地価格のトップは「小倉北区京町2−7−8」の120万円。新たなオフィス開発への期待が高いエリアです。
筑後エリアの商業地価格トップは久留米市東町の33.9万円
久留米市をはじめ大牟田・柳川・八女・筑後市などからなる筑後エリアでは、住宅地の地価は10市町で上昇しました。特に筑後市の変動率はプラス5.2%と最も高くなりましたが、地価上昇に伴う割高感や建築費の高騰などが影響し、上昇幅は前年に比し1.2ポイント縮小しました。
商業地は大牟田・八女市を除きプラスとなりました。筑後エリアの価格トップは西鉄久留米駅近くの「東町38−44」で1㎡あたり33.9万円でした。西鉄久留米駅の商業施設リニューアルで駅周辺の集客力が高まったことなどが要因です。
工業地は久留米市で9年連続、大牟田市で5年連続の上昇となりました。久留米市は物流施設の需要が堅調だったこと、大牟田市は臨海部エリアの新たな産業団地造成などが要因です。
ゆめタウン飯塚の菰田西が最も高い変動率
飯塚市の平均地価と変動率を見ると、住宅地の平均は1㎡あたり2.65万円で変動率はプラス2.3%、商業地は5.42万円で変動率はプラス3.2%でしたが、いずれも前年比で見ると住宅地で1.8ポイント、商業地で1.1ポイント上昇幅が縮小しています。
飯塚市では、ゆめタウン飯塚が近くに位置する「菰田西2−2−3」が5.77万円で、筑豊エリアでは最も変動率が高くプラス8.5%。JR新飯塚駅に近い「新立岩12−9」が7.29万円でプラス6.1%となっています。