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福岡県の不動産市況
福岡県の不動産市況
本特集記事は、主に賃貸仲介・管理業を行う県内44社の宅建業者を対象に、2月上旬から3月上旬にわたってヒアリング・インタビューを行い、これに不動産ネット「ふれんず」のデータを参考にしながら県内主要エリアの賃貸市場の動向についてまとめたものです。
なお、これらの詳細情報は福岡県宅建協会が毎年HP上で「福岡の不動産市況」として発表しています。
福岡市東区・東部地区
名島・千早では地価上昇に高止り感
 再開発が一段落した名島・千早両地区では地価上昇に高止まり感が見られます。JR千早駅周辺を見ると高層マンションが数棟建ってはいますが、飲食店やスーパーなどの販売店が見当たらず、夜間はひっそりとした状況です。東の副都心である香椎地区も再開発は終えて昔ほどの勢いは見られません。
 割安なアパートは、1棟10世帯の小規模物件が2年ほど前から多く供給されています。供給過多気味ですが需要はあり、入居率は良いようです。主力は1LDK(30~40㎡)駐車場別で家賃は5~6万円です。
香椎では大学生の自宅通学が増え空室が増加
 香椎地区では、アパート生活を敬遠して自宅から通学する学生が増加したことに加え、大学や専門学校が設立した寮が増えたこともあって空室が目立つようになりました。
 空室対策として築30年の物件に再投資し、リノベーションして、さらに高速インターネットを家主負担で導入し、賃料アップと入居率アップに成功したケースもありますが、学生仕様のアパートには社会人の入居が少なく、空室が解消しない状況です。
ベッドタウンとして注目の宇美町。志免町では住宅用地が不足
 宇美町は福岡市の東部と隣接しており同市の地価上昇から近年、ベッドタウンとして注目されています。同地区では2年間はミニバブルが発生。2018年度は坪当たり5万円以上値上りし、翌19年度は7万円値上がりしました。背景にあるのはJR博多駅周辺の地価上昇で、周辺都市部にも波及しています。
間取りは2L~3LDKが人気。家賃は6万円台が主力
 宇美町では、賃貸物件の間取りはファミリー向けの2LDK・3LDKが人気です。家賃相場は6万円に駐車場5千円が主力。7万円だと割高感が強く、戸建てへと流れます。ペット可(犬猫)の物件も増え、分譲賃貸マンションも当初の管理規約を変更し、ペット可とするところが現れています。今後は、外国人向けファミリー賃貸も増加しそうです。
築10年もので2LDK7万円粕屋町より高い印象
 志免町の賃貸物件はファミリー向けの物件が少なく、築年数が古い物件だけが残っている状況です。築10年もので2LDKが7万円(駐車場2台付き)、3LDKは8万円で粕屋町より高いという印象です。新築物件が増えていて、家賃が高くても入居率は良いようです。
区画整理事業で福津市の人口は増加。中古マンションも値上がり
 福津市はJR福間駅一帯で進められた区画整理事業の影響で人口が増え、周辺の地価が上昇しました。急激に発展した新宮町と福津市の影響で、隣接する古賀市にも客が徐々に増えています。
1LDKに脱衣所をつくりオシャレ感を演出
 福津市の賃貸物件では、2LDKのアパートが主力で6~7万円(駐車場2台付き)。1LDK(30㎡)に脱衣所を設けるなどオシャレ感を出して、若年層向けの趣向を凝らした物件が増えています。1Rの家賃相場は3~5万円ですが25㎡ほどの広めの物件が増えています。古賀市では、家賃が5〜12万円までの分譲戸建てが賃貸市場に出ています。食品工業団地がある関係で企業関係者からの安定した需要があります。
住宅設備ではセキュリティに関心
 住宅設備の面では、セキュリティに関心が高まっています。空室対策としてはTVモニタ付インターホンの設置や畳からフローリングへの変更、トイレの温水洗浄便座などのリフォームが有効です。
博多区
博多駅東に複合型商業施設
 博多区エリアの中心街ではビル建設用地の動きが活発です。駅東の県総合庁舎の再開発はオフィスビル(カフェなども併設)の建設が計画されているほか、ボーリング場「スターレーン」跡地にも複合オフィスビルが建設されるなど計画は目白押しです。西日本シティ銀行本店も建て替え計画を打ち出しており、床面積数百坪の大規模ビルが博多駅周辺に生まれる気配があります。事業用地が活発な反面、分譲・賃貸のマンション用地が都心部になく、南福岡に少し見られる程度の状況です。
JR博多駅ビルの再開発で駅近入居バブル
 JR博多駅ビルの再開発は、阪急百貨店の開店と周辺商業施設の活気が若者を呼び込み、駅周辺にシングル(単身者)が居住するようになっています。居住用賃貸市場は堅調な状態が続いています。築年数の古い物件もこれまで1~2ヶ月空室となっていましたが期間が短くなっています。
 賃貸市場の主力間取りは1R・1LDK。学生向けよりも駅利用のシングル向け法人契約が増えており、社員確保のための社宅化が進んでいます。家賃は数年前まで6.5万円~6万円後半でしたが、7~7.5万円でも満室となる状況です。
中央区
大型再開発が始まり地価・テナント料が高騰
 「ヒト・モノ・カネ」が集積し必然的に不動産投資が活発な中央区。昨年から本格的に始まった中心街・天神エリアのビル群の大型再開発で周辺部の地価・テナント料は高騰しています。渡辺通や昭和通のビルでは坪単価が1.5万円から2万円へ、明治通りでは2〜2.6万円といった状況です。路面店での空店舗も皆無です。人手不足から退去する店舗が増えていますが、退去後は賃料を値上げして募集しても、即入居の状態が続いています。
 新築物件の家賃は下がっておらず、ファミリー向けは高いままで、古い既存物件は値上がりしないが空室がない状況です。新築マンションの価格は高くなっており、連動して家賃が上がっていますが、土地値の上昇の割には上がっていません。
 民泊施設は減っており、今後、ホテルの売却が出るものか関心が寄せられています。昨年来、韓国・中国からの来日客が途絶えた上、今年に入っての新型コロナウイルスによる影響は、これまでインバウンドに依存していた観光・ホテル業界に大きな反動を来しています。
天神エリアで古い1Rは5万から築浅で7万から7.5万
 中央区のシングル向け物件の家賃相場は、天神エリアの古い1R(25~30㎡)で5~7.5万円。狭い物件(13~14㎡)だと3.5~4万円。新しい物件(25㎡)で7~7.5万円。天神界隈の家賃は高騰していますが、内部仕様は旧式のユニットバスのままとなっています。古い物件ではリノベーションしてシャワーのみ設置し、脱衣所を設けるなど狭いスペースをニーズにあった仕様に変更した物件もあります。
 入居者の客層も変わり、狭くても家賃が低い物件を借りる人が増えています。また、若年層の自動車離れもあり、駐車場は不要で、代わりに自転車やバイク置場の要望があります。都心部から離れた浄水通、大濠、荒戸地区では大手企業の支店長や個人経営者などが社宅として家賃20万円ほどの物件を法人契約するケースがあります。
猫専門のペット可マンションで差別化。総戸数20戸が即満室
 賃貸物件の差別化は様々な分野で進められていますが、注目は「ペット可」物件です。猫専門のマンションが新規に建設されましたが、総戸数20戸ながら即満室。消臭設備をはじめペットへの対応とともに入居者のマナー教育も徹底しています。昔に比べペットに対する考えが変わっており、オーナー・管理会社のビジネスモデルとして新たな展開が期待されます。
 桜坂界隈の古いアパートには高齢者が多く入居しています。昔と違って家主の意識が変わり、「年寄りは嫌だ」ということは少なくなっているようです。むしろ20代が部屋で孤独死するケースが増えているという実態があります。
南区
新築1LDK、床面積35㎡、家賃6~6.5万が一番人気
 南区では今春の入居に活発な動きはありません。ファミリー向けでは3~4LDKの希望が多く、シングルでは1LDKを求める傾向です。新築の1LDKで一番の人気は床面積35㎡で家賃6~6.5万円です。シングルの動きは鈍く、学生も7~8年前から学校の寮による囲い込みがあり、賃貸市場への影響がありません。自宅通学も多くなり、新幹線などでの遠距離通学も見られます。
 長住地区は駅から遠いこともあり、動きは少なく引越しもあまり見かけません。リノベーションをしてもすぐ決まるということはなく、地域的に家賃の値上げも難しいエリアです。
 住宅設備に関しては、エアコンや室内乾燥機などの設置が当たり前になっています。逆に設備のない古い物件は決まらず空室率が高めです。
城南・早良・西区、糸島地区
賃貸物件の入居者が動かない傾向に
 七隈地区では年が明けてから問い合わせも来店も減少し、1~2月でも閑散期のような状況です。賃貸物件は福岡大学を中心に学生アパートはシングルのみ。家賃が高くても部屋にこだわる学生もいて、8万円の1Rもあります。設備面では、ネット無料をはじめ美装の室内、おしゃれな洗面所がなければ入居が決まりません。女子学生は安全面に配慮したRC5~6万円物件への需要が高いそうです。以前は人気のなかったロフト付き物件も間接照明などでオシャレな空間を演出して空室改善に繋げるなどの工夫をしています。
九大留学生が姪浜や室見エリアへ
 今年は九州大学が留学生への保証を取りやめたことから、地元での入居が出来ない学生が姪浜や室見地区へ流れていますが、外国人専門の保証会社を利用し入居しているようです。
 西区の愛宕地区は供給数がほぼありません。ファミリータイプは3LDK(60㎡前後)が10万円程度から。4LDK(80㎡近い)が12~13万円。4LDKの物件は少なく、分譲賃貸マンションだと家賃が高くなります。
 今宿地区のファミリータイプでは、基本的な家賃相場は、2LDKは6.5万円前後。3LDKは7・5万円前後。4LDKは8.5万円前後。人気物件は駅に近く、追焚機能、都市ガスなどの設備がある物件ですが、分譲系の賃貸は少なく店頭客が要望する部屋は空いていないのが実情です。
荒江エリアの物件は減少
 荒江地区の家賃相場は1Rが4~5万円。2LDKが6~7万円。3LDKが8万円といったところです。1LDKには新婚世帯が入居しますが、移動がないことから物件は少ない状況です。

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