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福岡県の不動産市況
福岡県の不動産市況
本特集記事は、主に賃貸仲介・管理業を行う県内44社の宅建業者を対象に、2月上旬から3月上旬にわたってヒアリング・インタビューを行い、これに不動産ネット「ふれんず」のデータを参考にしながら県内主要エリアの賃貸市場の動向についてまとめたものです。
なお、これらの詳細情報は福岡県宅建協会が毎年HP上で「福岡の不動産市況」として発表しています。
北九州市門司区
賃貸物件は供給過剰で空室が目立つ傾向に
 ここ数年、門司駅周辺は通勤需要を見込んだ1Rマンションの建築ラッシュが続いていましたが、供給過剰となり入居者不在の状況となっています。数年前、門司駅の海峡側に大型居住区が開発され、分譲マンションを中心に賃貸住宅も供給されましたが、分譲系は完売したものの賃貸物件は空室が目立ちます。
 門司駅周辺は1LDKが少なかったこともあり、大手賃貸専門業者が2~3年前から1LDKタイプを建築し6~7万円で募集していますが、供給過剰で空室が目立ちます。
小倉北区・南区
ロケーションやグレードよりも初期費用重視へ
 今春の市場特性として初期費用の値下げ競争が起こっています。新築が多くなり、既存物件の空室が目立つこともあり、賃料減額、設備投資ができないオーナーがやむなく初期費用を下げています。入居者の移動が減り、特に外国人も減少しています。一方で、法人の事務所などの成約が増え、ペット可の戸建ても成約が増えています。
 タイプ別では、シングルはモノレール沿線で駐車場込5万円程度の1Kでバストイレ別、独立洗面台が人気です。昨年まで見られた「グレード・場所のいい部屋」という傾向から「賃料や初期費用重視」の傾向が強くなっています。
 夫婦二人世帯は、モノレール沿線が中心でしたが郊外へ行くケースが増え、結果、同沿線の空室が増える傾向にあります。
 ファミリーの場合、今年は特に引越しを控える傾向にあり、よほどの理由がなければ転居しないというのが現状です。学校区の人気・不人気が物件の選択に顕著です。
 高齢者は手入れが大変な郊外の持家を処分し、便利のよい中心部へ移る傾向にあります。高齢者向け優良賃貸住宅の中心部の物件は常に満室が続いています。一方で、コロナ禍の影響から移動を控える傾向にあります。
既存物件の空室が更に目立つ傾向に
 外国人はコロナ禍の影響もあり、入国自体が減少している分、新規入居者がほぼなくなっています。居住地は中津口・砂津エリアに集中しており自転車を使い集団で移動する光景がみられます。「保証人なし」を可能とした保証会社が増え、入居審査が通りやすくなっています。需要は単身者で2万円台前半が大半です。
 新規供給に対して人の流れが例年より少ないため、築10年程度の物件に空室が目立ちます。新築の賃料が以前に比べ安く設定されていることから、既存物件からの住み替えが多くなっており、既存物件の空室が更に目立ち、賃料や初期費用などの契約条件を見直すケースが増えています。
オンライン授業による学生の早期退去も
 小倉南エリアに大きな変動はないものの、新型コロナウイルスの感染が拡大し、大学の活動が大幅に縮小され、オンライン授業が開始されたことから、居住後半年で退去する学生の事例も発生しています。3年次終了した学生についても、卒業を待たずに解約が出始めています。守恒エリアでは学生向け新築マンション3棟、北方地区ではアパート1棟が建築中の状態で満室となるなど比較的動いている状態ですが、築20年以上経過した物件などは、大学から至近距離であっても成約率は悪化しています。
ペット飼育可の需要高く多頭飼育希望が増加
 人気物件は、シングルではモニターフォン・独立洗面台・浴室乾燥機付で、洗浄機能付き便座は標準仕様が求められており、古いエアコンが設置されていると成約に至りません。
 賃料は改善していますが、下がったまま上がる気配はありません。ペット飼育可の物件は需要が高く、猫や多頭飼育希望が増えており競争が激化しています。既存物件は大幅改造しないと決まりにくい状況です。
アクセントクロスや床材にこだわる入居者増加
 東小倉(上吉田)エリアではファミリー・高齢者に動きはありませんが、全体的に空室率は改善しています。
 シングルはリノベーション物件を好み、相場よりも高い賃料での成約が目立ちます。アクセントクロスや床材へのこだわりも増え、間取りを変更する例もあります。夫婦二人世帯では、予算控えめでフリーレントの交渉をされる方が増えています。間取りは3DK、駐車場2台、戸建てか共同住宅なら1階を希望される方が多くいます。ファミリーは、学校近く、駐車場2~3台の要望をはじめフリーレントや他条件などの交渉が多く入ります。高齢者はスーパー近くで戸建て希望。
八幡東区
成約件数が減少し、空室率も増加
 八幡東・西両区における2020年の賃貸成約件数(マンション、アパート)を「ふれんず」データをもとに比較すると、20年4月頃から成約件数の減少がみられ、実務的にも同時期からの案内件数が減っています。
 空室率を見ると、前年より高く、高齢者等の退去者が増加し、案内件数も減少しています。物件の老朽化も要因で、エレベータなしの物件は3階以上での需要はなく、高齢者は2階でも敬遠している状況です。
八幡西区
リモートワークの影響でネット無料物件が人気
 今春の市場特性として、地元の顧客は動いていますが学生の動きが悪く、外国人はほとんどいないというのが実状です。需要の高い地域は駅近で2LDK・3LDKや築浅の1LDK、1Kの問い合わせが多く、リモートワークの影響でネット無料物件が人気です。
 築浅物件に空きはない反面、古い物件は空きが多くなっています。新築は毎年数棟建ちますが常に満室です。空室対策としてはリノベーションが多く、間取りに問題がなければ初期費用などの条件を減額して対応しています。
若松区
商店街の空洞化、住宅地の空き家増加で地域が荒廃
 ここ数年多かった外国人研修生の出入国が制限されたこともあって、彼らが入居していたアパートや貸家の解約が昨年後半、何件か続きました。土地建物を処分したいという顧客は増えており、遠方からの相談もあります。親族の病気や死亡を契機に資産整理を行う方の査定依頼が今年度は多くありました。
年を追うごとに繁忙期の問い合わせが減少
 居住用は賃料の安い物件を探す顧客が多くなっています。飲食業など事業用はコロナの影響もあり、新規の問合せはほとんどありません。最近は、古い戸建てを安く購入し貸し出すタイプの個人家主が多くいます。 年を追うごとに繁忙期の問合せが減少し、今年は1月期が少なく2月に入って少しずつ動き出しました。ただ通常の住替えに比べ離婚や騒音トラブルなど、やむを得ず転居するケースが増えています。
 空室は改善されておらず、長期空室の物件も多く、新たに空いた物件も決まりにくい状況にあります。賃料を下げても問い合わせは少なく、空室対策には可能な限りの室内リフォームと初期費用の減額、そして広告宣伝の工夫しかありません。
戸畑区
若戸大橋の通行料無料化で家賃の安い若松へ移住する人が増加
 コロナ禍の住宅市場は賃貸中心にファミリーは以前ほどではありませんが堅調な動きをみせています。一方、若戸大橋が通行料無料となったことで、賃料の安い若松へ移住する人が増えています。居住用は築浅物件が少なく事業用は駐車場がありません。
 世帯層の特性として、シングルは洗面所が独立した築浅が人気ですが6万円を超えると厳しく、夫婦二人世帯は安くて綺麗な築浅物件を求める傾向にあります。ファミリーはあやめヶ丘小学校区が人気ですが、物件がありません。高齢者は1階を希望しますが、こちらも物件が少ない状況です。外国人には家電の備え付けが人気です。

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