MENU
福岡県の不動産市況
福岡県の不動産市況
 本特集記事は、主に賃貸仲介・管理業を行う県内49社の宅建業者を対象に、2月上旬から3月上旬にわたってヒアリング・インタビューを行い、これに不動産ネット「ふれんず」のデータを参考にしながら県内主要エリアの賃貸市場の動向についてまとめたものです。
福岡県内の地価上昇率、商業地は3年連続全国1位、住宅地は2年連続2位に
 国土交通省が令和5年3月22日に発表した同年1月1日時点の公示地価によると、福岡県内の商業地の上昇率は5.3%で3年連続全国1位になりました。住宅地についても4.2%の上昇で、2年連続全国2位という状況です。県内地価上昇を牽引しているのは福岡市で、天神ビッグバンや博多コネクティッドなど都心の再開発、さらには福岡市営地下鉄七隈線延伸による沿線駅周辺の堅調な住宅需要などが主な要因です。
福岡都市圏は商業地・住宅地ともに調査地点のある全市町で上昇
 政令市の中、人口増加率がトップクラスの福岡市は、商業地の地価が10.6%上昇し、その上昇率は都道府県庁所在地で3年連続1位。住宅地も8.0%の上昇で、同じく全国2位となりました。福岡市内の地価上昇を受け、割安感のある周辺市町の住宅需要が高まり、住宅地については筑紫野市や大野城市、須恵町で8%を超え、古賀市においては9.2%と福岡都市圏では最も高い上昇率となりました。商業地については、筑紫野市が10.0%、粕屋町が9.5%と高い上昇率を示し、大野城市や春日市も8%を超えました。
 福岡市とその周辺の地価が住宅地、商業地ともに上昇している背景には、マンション用地の争奪戦が過熱していることも要因とみられています。
北九州市に総工費60億のIT企業特化型情報産業集積ビルが来春開業予定
 北九州市の地価は、全用途平均で1.4%上昇、住宅地で0.8%、商業地は2.2%の上昇でした。商業地については7年連続の上昇です。ただ、住宅地の県内下落率順位10位以内に5地点が入り、商業地についても2地点が入っています。
 北九州市では、モノレール平和通駅前に13階建て延べ床面積約9800㎡、総事業費60億円の新たなオフィスビル「ビジア小倉」が来春に開業します。SDGs未来都市の実現に繋がる街づくりを目指す取り組みで、北九州市が10億円を補助します。同市は、これを皮切りに、モノレール沿線の老朽化ビル約20棟を民間資金を活用して建て替える計画です。その第1弾となる「ビジア小倉」。市としても企業誘致などの課題に取り組むとしています。
福岡・久留米市のベッドタウン小郡の地価が大幅上昇
 筑後地区の住宅地は久留米市が1.5%で9年連続、小郡市が7.1%で7年連続、筑後市が5.8%で10年連続、大刀洗町が2.2%と4年連続で上昇しました。また、大川市は平成4年以来31年ぶり、広川町は平成10年以来25年ぶりに、それぞれ0.2%、0.6%上昇に転じました。商業地については久留米市が3.8%と9年連続、小郡市が6.4%と4年連続、筑後市が4.7%と5年連続、大刀洗町が2.4%と4年連続で上昇しました。また、大川市は平成3年以来32年ぶり0.3%、みやま市は平成19年の合併後初めて0.3%、広川町も平成7年に地点設置後初めて2.0%上昇に転じました。
 筑後地区の中では、小郡の地価上昇率が住宅地、商業地ともに高くなっています。小郡のイオンに筑後地域最大の「無印良品」が出店することに加え、大手量販店「コストコ」が大分自動車道・筑後小郡インター近くに出店する予定で、すでに小郡市と協定を結んでおり、周辺の不動産市場にどのような影響を与えるか期待されます。
飯塚駅周辺の再開発「ゆめタウンモール」進出で不動産市場への好影響期待
 飯塚市の地価は、住宅地が3.5%と3年連続で上昇し、田川市は平成5年以来30年ぶり、鞍手町は平成6年地点設置後初めて、それぞれ0.3%、0.5%上昇に転じました。商業地は、鞍手町が1.4%で3年連続、直方市が平成5年以来30年ぶりに0.2%上昇しています。
 飯塚市は飯塚駅周辺の再開発で「ゆめタウンモール」が進出し、モール内には複合映画館や「スターバックスコーヒー」など、これまで飯塚にはなかった商業施設が入る予定で、市民の関心も高く、不動産市場への好影響が期待されます。

PAGE
TOP