福岡県内の商業地が4.1%上昇2年連続全国首位に
3月22日に発表された令和4年1月1日時点の公示地価は、全国全用途平均で2年ぶりに上昇に転じ、回復傾向が見られました。
福岡県内では全用途平均3.5%に上昇で、商業地は前年比4.1%と7年連続上昇し、上昇率は2年連続の全国首位となりました。
住宅地も3.2%と8年連続で上昇しました。
福岡市は博多区祇園町の土地が上昇率全国3位に
福岡市の商業地は9.4%に上昇しましたが、地価高騰が続いた福岡市天神周辺の再開発地区は天神コア跡地周辺で県内最高額を維持したものの、景気の先行き不透明感などから横ばいとなりました。一方で、博多区祇園町の土地が㎡単価210万円、上昇率が18%で全国3位となりました。福岡市営地下鉄七隈線の延伸と福岡都市圏のオフィス需要に支えられ、地価の上昇に繋がっているとみられています。
スペースワールド跡地の商業施設「ジ・アウトレット北九州」が今春開業
北九州市は商業地が0.9%で6年連続上昇し、住宅地が2年ぶりに下落から上昇へと転じました。
北九州市では、スペースワールド跡地に今春開業予定の商業施設
「ジ・アウトレット北九州」に注目が集まっています。隣接の「イオンモール八幡東」と併せると日本最大級の商業施設となります。他にも門司競輪場跡地やJR城野駅エリアの再開発、陸上自衛隊跡地の開発なども、北九州の活性化に影響を与えそうです。
一方で、急傾斜地域の土砂崩れなどの危険防止対策として検討が進む、いわゆる「逆線引き」問題について、どこまで住民の意向を反映したものになるかなどが今後の課題です。
久留米市の資生堂生産拠点稼働や筑後市の新幹線効果に期待
筑後地区の住宅地は久留米市が1.0%で8年連続、小郡市が6.4%で6年連続、筑後市が1.8%で9年連続、大刀洗町が1.0%と3年連続で上昇しました。商業地についても久留米市が2.7%と8年連続、小郡市が2.4%と3年連続、筑後市が1.5%と4年連続、大刀洗町が2.1%と3年連続で上昇しました。大牟田市、みやま市、柳川市、大川市、八女市は住宅地、商業地ともに昨年同様下落しました。
筑後地区では、久留米・うきは工業団地内に来春稼働予定の大手化粧品メーカー「資生堂」生産拠点の動向に注目が集まり、また、九州新幹線筑後船小屋駅の開業で、福岡・久留米からの通勤圏内として、住宅の需要が伸びており、期待が高まっています。
飯塚市が進めるコンパクトシティづくりに注視
飯塚市は住宅地が2.7%と2年連続上昇し、商業地は0.6%と30年ぶりに上昇しました。また、直方市の住宅地も0.2%と30年ぶりに上昇に転じました。鞍手町の住宅地は0.4%に下落しましたが、商業地は1.5%に上昇しました。
飯塚市の不動産市場はJR飯塚駅前の再開発でJAが展開する「道の駅」や大手スーパー「ゆめタウン」の招致に期待が高まっています。また、飯塚市が進める立地適正化計画に基づくコンパクトシティづくりの動向が大きな影響を与えそうです。